屋根工事の営業に足を運んだ経験がある人なら、あの「無駄足」の感覚を覚えているだろう。同じエリアに何千軒も家があっても、本当に葺き替えを検討しているのはそのうちの100〜200軒。ましてや購入した名簿は何度も転売されていて、実際に訪問した頃には、住人はすでに何人もの訪問販売員にうんざりしている。Roofbird は、まさにこの無駄を減らすために生まれたツールだ。
衛星画像で「今もつべき屋根」を見極める
使い方は思いのほかシンプル。自社の営業エリアを地図上でなぞると、衛星画像を基に区域中の屋根をスキャンし、過去の暴風履歴や近隣の葺き替え動向と照らし合わせて、需要のありそうな住宅を割り出す。さらに自社の得意分野、たとえば住宅用アスファルトシングルなのか、金属屋根なのか、それとも陸屋根中心なのかを AI に学習させる。すると、自社が狙うべき案件だけが残る仕組みだ。
要は「名前を渡される」のではなく、数千軒の中から「今週訪ねる価値のある200軒」を抽出してくれる。このポイントは思った以上に大きい。
見込み客情報に、訪問用の材料まで付いてくる
公式サイトで公開されている流れは、およそ3ステップ。自社サイトを読み込ませて施工内容や売りを覚えさせ、地図上に自由な多角形でエリアを描く。あとはクリックひとつで、最近葺き替えた家や傷みが少ない家が除外され、連絡を取るべき住人がリストアップされる。
各リードには購買確率スコア、屋根の状態を示すヒント、そして訪問時に使えるセールストークの導入文が添付されている。さらに印刷して玄関に下げられるドアハンガーPDFも生成される。ポスティングや飛び込み営業を主体とするチームには、かなり現場寄りの設計だと感じる。
たとえば、ハリケーンや竜巻に見舞われた直後の地域を担当しているなら、暴風履歴はそのまま説得材料になる。保険で直したいと考える住民は、飛び込み営業にも意外と耳を傾ける。Roofbird はそうしたタイミングをデータで拾ってくる。この「いま畳むべき相手かどうか」を出してくれるのが、何より助かる部分だ。
- 自社サイトを読ませる:施工材種や販売トーンを学習し、自社向けに調整
- エリアを手描きする:1本の通りから郵便番号単位まで自由に設定
- クリックでリード取得:確率スコア付きのリストと印刷用PDFが生成
万能ではない。だが試しやすさは魅力
ここまで読むと「AI営業ツール」と思われるかもしれないが、個人的にはそう単純ではないと感じる。Roofbird の強みは、屋根という垂直領域に特化している点だ。近所で葺き替えが続くというコミュニティの換装傾向を加味しているのは、訪問営業のタイミングを計るうえで理にかなっている。
ただし公式サイトで公開されている情報は限られている。衛星画像の解析精度やデータ更新頻度は確認できず、電話営業中心の会社や商業用屋根が主力の会社にはマッチしないだろう。それでも、25件の無料クレジットをクレジットカード不要で試せる点は、個人的には評価したい。
試すなら、最初は実際の自社商圏で小さく描いてみて、抽出される住宅がフィールドの感覚と合うかを見るのがいい。有料プランはサービスエリア無制限とされているが、具体的な価格は明記されておらず、その透明性はいまひとつだ。とはいえ、飛び込み営業の時間を本当に削りたいと考える工務店には、まず1回試す価値はある。











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