世の中のコンテンツ審査 API の多くは、「スパムですか?」といった固定分類を返すだけ。CriteriaBot はそこをもう一歩進めて、審査の物差しそのものを自然言語で書けるようにした判定エンジンだ。
やり方はいたってシンプル。自分の言葉で「このテキストは暴言を含む」といったルールを定義し、API にテキストを渡す。すると結果が true/false で返ってくる。いわば「ルールをコード化しなくても、ルールをプログラムにできる」発想だ。
固定ラベルではなく、文章で基準を渡す
このアプローチの利点は、汎用モデルでは拾いきれない“その現場だけの基準”を扱える点にある。典型的な利用シーンは次の通り。
- コミュニティ内容審査:ヘイトスピーチやスパムに加え、「ネタバレ禁止」「政治の話はお断り」といった自分たちのローカルルールを追加で評価
- LLM の安全レイヤー:プロンプトインジェクションの検出や出力の不適切表現をブロックするカスタムガードレールとして利用
- ブランドのトーン監査:AI 生成文や社外向け原稿が、定めたガイドラインに沿っているかを自動チェック
- テキストの仕分け:カスタマーサポートのチケットや問い合わせをカテゴリ別に振り分ける
これ以外にも、広報モニタリングやデータの死活チェック的な使い方も見込める。特定の分類タグに縛られないので、チームごとの「これって問題ですよね?」を機械判定に置き換えやすい。
複数の AI に聞いて、多数決で決める設計
内部は従来型の機械学習モデルと、小型のオープンLLM群の合議制パネルを組み合わせた構造。Wikipedia や Wolfram にアクセスできるため、最新の事実確認や計算が必要な判定もサポートする。
個人的に面白いのは、ユーザーが「自分の判定」を返せる点だ。結果に違和感があれば人手で true/false を入れ直すだけで、モデル側がユーザーの基準を学習してくれる。特定コミュニティだけの暗黙のルール、たとえば「この掲示板での政治トークはここまで許容」みたいな曖昧な境界を、少しずつすり合わせられるのは実用的だ。
使いはじめの注意点と向いている人
ただし、動き出す前に少しだけ時間をかける必要がある。自然言語とはいえ、ルールの網の目をきちんと設計しないと、想定外の入力で不安定な判定が出る。少量のサンプルで試し、判定を繰り返し修正しながら育てていくのがおすすめだ。
その手間を差し引いても、毎回プロンプトを書くよりも再現性のある結果を得やすい。コミュニティ運営者、LLM アプリの開発者、カスタマーサポートの自動化を考えている人には、一度試す価値はある。料金は公式に公開されておらず、登録して API キーを取得する必要がある。まずは少ないデータ量で感触を確かめてみてほしい。











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